ホロコーストの時代にinstagramがあったなら。


What If People Had Instagram During the Holocaust?
もし、ホロコーストの時代にinstagramがあったなら。ホロコースト記念日の5月1日、75年前に亡くなった少女が残した日記をもとに登場した一つのinstagramアカウント@eva.stories/エヴァ・ストーリーズの存在をTwitterで知りました。このアカウントはホロコーストの事実を後世に伝える「生きた記憶」のプロジェクトとしてユダヤ人の親子が自主制作したもの。制作者は、IT業界で財をなしたユダヤ人の大富豪Matti Kohaviさん。Kohaviさんの両親はホロコーストの生存者だそうです。

エヴァ・ストーリーズの主人公Eva Heiman。実在したハンガリー出身13歳のユダヤ人の女の子です。今の時代を生きる女の子と同様に男の子とデートをしたり仲良しの友達と毎日のように遊んだり明るく元気いっぱいなティーンエイジャーの女の子。そんな中、ナチス侵攻により突如日常が奪われました。。。
最初の投稿は2月13日。それから30本以上の動画が投稿され5月31日家族と一緒にアウシュビッツ強制収容所へ送られるところで終わっています。実際のEVAもアウシュビッツへ送られて殺されてしまったそう。。。

私は一昨年ポーランドにあるアウシュビッツ強制収容所博物館を訪れたことがありました。実際にアウシュビッツを訪れる前にホロコーストに関する映画や本を読みましたが、ただただ恐怖を覚えるばかりで親近感が沸くという作品はありませんでした。エヴァ・ストーリーズもホロコーストに関する内容のinstaアカウントですが、私達が日常的に使っているツールであるinstagramを通して主人公のEvaがセルフィー形式で発信することで親しみを覚えました。ナチス侵攻から刻々と迫るアウシュビッツ送還への日々は見ていられなかったですが。。。

エヴァ・ストーリーズに対してホロコーストを題材にした重い内容なのにinstagramのストーリーで発信するのは浅はかだという批判もあるようです。若い世代は日常的にSNSを使っていて情報収集ツールとしても拡散力も凄まじいものがあります。絶対に次の世代に語り継いでいかなければならない、風化させてはならない記憶ならば本や映画でなくても時代に合わせた伝え方で良いのではと感じました。

私はアウシュビッツ強制収容所博物館で見た囚人服を着せられた何の罪もない人々の写真。老若男女関係なく髪を丸坊主にされ、げっそり痩せて、中には暴力を受けたのか顔にあざがある人も。皆、生気がなく絶望の眼差しでカメラを見つめる人々の姿が忘れられません。。。

ホロコーストは絶対に繰り返してはならない悲劇。
どうか二度とこのようなことが起こりませんように。。。

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Eva.Stories Official Trailer

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